菩薩って?

2022年3月30日

菩薩(ぼさつ)」とは、「悟りを求める者」という意味のサンスクリット語「ボーディ・サットヴァ(菩提薩埵(ぼだいさった))」の略です

慈悲(じひ)の心で人々を救う仏さまです

菩薩とは、如来になるために悟りを求めて修行(しゅぎょう)しています

この世で苦しみ、悩んでいる人がいるかぎり、私は仏(如来)にはならない」と誓(ちか)いをたてました

菩薩像は、お釈迦さまが釈迦族の王子であったときの姿がモデルです

宝冠(ほうかん)やネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーを身につけています

手には、水瓶(すいびょう-水がめ)や蓮華(れんげ-ハスの花)のつぼみなどを持っています

観音菩薩(かんのんぼさつ)は、さまざまな姿に変身して、いつでもどこでも助けにきてくれると「観音経(かんのんきょう)」に書かれています

お釈迦さまの入滅(にゅうめつ)から56億7000万年後に仏となって、この世にあらわれる弥勒菩薩(みろくぼさつ)もいます

宝冠(ほうかん)

宝石類で飾った冠

宝髻(ほうけい)

長い髪を高く結い上げた髪型

白毫(びゃくもう)

額の中央にある右まわりに丸まった白い毛

三道(さんどう)

喉元にある三本のしわ

瓔珞(ようらく)

金・銀・真珠などをつないだネックレス

持物(じもつ)

仏像のもち物
持物にはそれぞれ意味があり、菩薩によって持物が違う

条帛(じょうはく)

左肩から右脇の下にまとうショール

天衣(てんね)

ショールのように肩にかけてまとう長い布

(くん)
スカートのように布を腰に巻きつける

裳(も)ともいう

蓮華座(れんげざ)

蓮華をかたどった台座

観音菩薩

別名を「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」

インドでの名前は「アバローキテシュバラ」

日本では「光世音菩薩(こうぜおんぼさつ)」とも訳されていた

「苦しむ人びとが一心にその名をとなえれば、すぐにその音を観じて救いだす」と『法華経(ほけきょう)』に記されている

日本では、7世紀から国家を守り、人びとの現世の幸せを願い、十一面観音、千手観音など、三十三の姿に変化する観音がつくられるようになった

聖観音(しょうかんのん)

人びとの願いに応じて姿を変える観音菩薩の基本

聖観音 天台寺(岩手)

十一面観音(じゅういちめんかんのん)

さまざまな表情の顔が11あり、あらゆる方向を見て人びとを救う

十一面観音 羽賀寺(福井)

千手観音(せんじゅかんのん)

多くの手でさまざまなものを持ち、無限の力で人びとを救う

千手観音菩薩 大蔵寺(福島)

如意輪観音(にょいりんかんのん)

何でも願いがかなう如意宝珠(にょいほうじゅ)と法輪(ほうりん)を持っている

如意輪観音坐像 奈良国立博物館

不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)

縄を使って、苦しむ人びとを救う

不空羂索観音 東大寺(奈良)

馬頭観音(ばとうかんのん)

煩悩(ぼんのう)を、むさぼり食う

馬頭観音 浄瑠璃寺(京都府) 奈良国立博物館

准胝観音(じゅんでいかんのん)

仏を誕生させる仏さま

准胝観音 黒田観音寺(滋賀県)

※法隆寺の救世観音(くぜかんのん)、百済観音(くだらかんのん)、夢違観音(ゆめちがいかんのん)などは、すべて通称で、正式には聖観音菩薩

菩薩

まだ修行中である菩薩たちは、優しく人びとに寄り添い、優美で親しみやすく、それぞれが個性的で、信仰を集めている

「慈悲」の観音(かんのん)菩薩・「智」の勢至(せいし)菩薩は、阿弥陀さまの手助け

普賢(ふげん)・文殊(もんじゅ)菩薩は、お釈迦さまのおそばに仕え

日光(にっこう)・月光(がっこう)菩薩は、お薬師さまのおそばで、人びとを看護する

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

56億7000万年後に如来になり人びとを救う

宝冠弥勒 広隆寺(京都)

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

地獄など、あらゆる世界を巡って苦しむ人びとを救う

地蔵菩薩 観世音寺(福岡)

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

実在した智恵の仏さま 学力アップ

文殊菩薩騎獅像 禅定寺(京都)

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

すごい行動力 慈悲と智恵で人びとを救う

普賢菩薩-岩船寺(京都)

日光(にっこう)・月光菩薩(がっこうぼさつ)

薬師如来が人びとを救うのを手伝う

日光・月光菩薩 願隆寺(滋賀県)

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

記憶力アップの仏さま

虚空菩薩半跏像 額奈良国立博物館

勢至菩薩(せいしぼさつ)

智恵で、人びとを苦しみから救う

勢至菩薩 奈良国立博物館

五大力菩薩(ごだいりきぼさつ)

五大明王の化身
菩薩であるが忿怒面(ふんぬめん)をしている

五大力菩薩–醍醐寺(京都)

もう少し観音さま

慈悲深い菩薩であるから、人々が六道に転生しても、

それぞれの世界で姿を変えて人びとを救いにくる

天台密教では、

地獄では「聖観音」

餓鬼道では「千手観音」

畜生道では「馬頭観音」

阿修羅道では「十一面観音」

人間道では「不空羂索観音」

天道では「如意輪観音」

と、姿を変える

真言宗は、「不空羂索観音」の代わりに「准胝観音」を加える

両方を入れ「七観音」とするものもある

八大観音、十五尊観音、十六観音

さらに三十三観音などもある

仏像について,菩薩

Posted by susu