阿弥陀如来は手の形でわかる
「九品(くほん)の印」

2021年10月27日

阿弥陀如来(あみだにょらい)は
人々を極楽浄土へ迎える様を表わした仏像

「阿弥陀如来だ!」と、わかるのは

手のかたち(^▽^)

極楽浄土への往生を勧める経典『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』によると
(または印相(いんそう))といい、手や指をさまざまに組むことで
極楽へ往生を願う人の、その行いや資質などによって9段階に分けられる、と説かれている

阿弥陀如来の印は9種類ある
「九品(くほん)の印」と呼び、指で輪を作っているのが特徴

大きく「上品、中品、下品」の3種に分かれ、そして9階位となる

人の修行の度合いや、あるいはどのような罪を犯してきたか
その違いによって、極楽のどこに往生し、往生した後にどのような功徳をいただけるのか差が生じるという
そこから、これら9種類の印相が仏像の手(印)に表されることとなった

仏教や仏画に表われる多くの阿弥陀如来像は、

坐像の場合は定印(じょういん)上品上生印か来迎印(らいごういん)上品下生

立像来迎印(らいごういん)上品下生印が多く

坐像も立像説法印(せっぽういん)のものは極めて少ない

この9つの組み合わせは、一説では鎌倉以降とされている

①膝の上で、左右の手を組んでいるもの

禅定の姿を表した定印(じょういん)と呼ばれ上生(じょうしょう)
そして、
親指と人差し指で輪を作っていれば上品
親指と中指なら中品
親指と薬指なら下品となる

②胸の前で、手のひらを正面に向けているもの

説法印(せっぽういん)と呼ばれる中生(ちゅうしょう)
そして、
親指と人差し指で輪を作っていれば上品
親指と中指なら中品
親指と薬指なら下品となる

③右手を上に、左手を下に向ける

衆生を迎えに訪れる様を表わした来迎印(らいこういん)と呼ばれ下生(げしょう)
そして、
親指と人差し指で輪を作っていれば上品
親指と中指なら中品
親指と薬指なら下品となる

(ただし、文献によっては「品」と「生」の組み合わせが逆の説明をしているものもある)

見たい!阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)

浄土寺(じょうどじ) 兵庫
阿弥陀三尊立像 快慶

極楽寺(ごくらくじ)東京都

西方院(さいほういん)(唐招提寺の奥の院) 奈良
快慶

八葉蓮華寺(はちようれんげじ)大阪
快慶

快慶は、100センチ程の阿弥陀如来立像を多く造っています