弁才天って?
弁才天(べんざいてん)
財福と音楽の女神
梵字:そ
密教真言:おん・さらすばてぃ・えい・そわか
宇賀弁才天の真言:おん・うかやじゃやぎゃらべい・そわか
弁才天は、古代インドにおける川の神(女神)
「サラスヴァティー」といい、水神、農業神として崇拝され
清らかな川のせせらぎから「妙音天(みょうおんてん)」とも呼ばれる
仏教の守護神として日本に入ってきた当初は、8本の腕に宝珠・剣・弓矢・金剛杵等を持った姿(八臂像)だった
鎌倉時代になると2本の腕(二臂)で膝を立て琵琶(びわ)を弾く姿(像)が一般化し、芸能の神様ともいわれるようになった
弁天は、学問・弁舌・音楽・除災・財宝・至福を与えてくれる女神と信仰されている
江戸時代には、当初の弁才天から、より現世利益の「財」を強調した「弁財天」と呼ばれて、七福神の一神ともされた
弁才天は神仏習合に伴い
天照大神との誓約(うけい)の際に須佐之男命(すさのお)の剣から生まれた三女神(宗像三女神=海上交通安全の神)
その一人、市杵嶋姫(いちきしまひめ)を弁財天としてまつられた
仏教では梵天の妃とされる
また、蛇神である宇賀神(うがじん)とも習合され、
十五童子を従え
宇賀弁才天としても信仰された
水の神として湖や海辺などにまつられることが多く、芸能の神としても有名な神様です
ご利益は、「弁舌向上」・「芸能上達」・「金運上昇」・「財福」・「商売繁昌」
❶宇賀神(うがじん)
蛇の体と年老いた男の顔をした穀物神
❷宝珠(ほうじゅ)
願いをかなえ、災いをとりのぞく
❸宝剣(ほうけん)
人びとの迷いを断ち切る
❹戟(げき)
矛の一種で、仏教の敵を倒す武器
❺鉤(かぎ)
❻法輪(ほうりん)
釈迦の教えを車輪にたとえたもの
❼宝棒(ほうぼう)
悪を追い払う
❽弓(ゆみ)
❾矢(や)
人々を正しい道に導く
●弁財天立像(べんざいてん りゅうぞう)
東大寺(とうだいじ)(奈良県)
重要文化財
奈良中期
塑造
像高 219cm
元は東大寺の法華堂(ほっけどう)(三月堂)に安置されていた2.2mの巨大な塑造八臂(そぞうはっぴ)弁財天
弁財天の彫刻だと最も古く
千手観音のごとく脇手を広げている
東大寺の吉祥院というお堂に安置されていたようですが、天暦8年(954)に焼失し顔面などの塑土(そど)がはげ落ちひどい状態だったが
平成に7年かけ全面解体修理が行われ当初の像を取り戻している
定期的に東大寺ミュージアムに展示されます
レプリカは奈良国立博物館の1Fに展示されています
●八臂弁財天坐像(はっぴべんざいてんざぞう)
江島神社(神奈川県)
鎌倉時代
像高 57.6㎝
八本の腕に、宝珠や宝剣などの持物をもち、頭の上に白いヘビがトグロを巻いています
そのヘビの頭は人間のおじいさんの顔(~_~メ)
これは宇賀神(うがじん)という名前の日本の古くからの水の神さまです
ある時期から弁財天といしょになってしまい、宇賀神は弁財天の頭の上に生き残ったのです
●妙音弁財天像(みょうおんべんざいてんぞう)
江島神社(神奈川県)
鎌倉~室町時代
像高 54.5㎝
琵琶を抱えた全裸の女神像
欽明天皇の頃、海に悪い龍が住み着き人々を苦しめていたが
大地が大きく揺れ、海上に孤島が浮かび上がると、そこへ弁才天が降り、悪い龍を倒したという話しがある
その孤島が「江ノ島」であり、江ノ島にある「江島神社」は「日本三大弁天」に数えられています
●筆硯童子像(ひっけんどうじぞう)
東京藝術大学
室町時代(15世紀)
像高 22.4㎝
檜(ひのき)材 一木造 彩色
弁財天に従う十五童子のうち、学問成就の神
●弁財天立像(べんざいてん りゅうぞう)
飛騨国分寺(ひだこくぶんじ)(岐阜県)
江戸時代
像高 100cm
円空上人作
円空作と伝わる像で、針葉樹を使い、左目の脇には、木の節がそのままみてとれる
量感あふれる体躯、宝冠を戴き、丁寧に彫られた衣文、両肩を覆う頭巾、両足に沓を履き、両手に宝珠を載せている
表情は柔らかく微笑みを浮かべ、母の優しさがあふれている
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