阿弥陀さま(*’ω’*)って?
阿弥陀如来(あみだにょらい)
人びとを極楽浄土へ、みちびく仏さま
梵字:キリーク
永遠の救いをあたえてくいれる仏さま
真言:おん あみりた ていせい から うん
阿弥陀如来は、西のはるか彼方に住んでいます
そこは、「極楽浄土(ごくらくじょうど)」といい、苦しみがまったくない世界です
阿弥陀如来は、「五劫(ごこう)」という果てしなく長い時間考えて48の大願をたて、願いを成就(じょうじゅ)しました
1番の願いは、「念仏往生(ねんぶつおうじょう)の願(がん)」です
それは、「私に救いを求めるものすべて人々を極楽浄土につれて行く」ということです
阿弥陀如来は無限の寿命を持ちます
あらゆる人々を無限に照らしていることから「無量寿如来(むりょうじゅにょらい)」「無量光如来(むりょうこうにょらい)」とも呼ばれます
阿弥陀三尊(さんぞん)、脇侍(わきじ)は慈悲(じひ)をあらわす観音菩薩(かんのんぼさつ)と、智恵(ちえ)をあらわす勢至菩薩(せいしぼさつ)です
「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」ととなえれば、阿弥陀如来が25の菩薩と雲にのり、私たちをむかえに来てくれます
阿弥陀如来は人びとを極楽浄土に迎えるとき、信仰の深さ(品)と善行の数(生)により9つのランクがある
多くの阿弥陀如来は、阿弥陀定印(あみだじょういん)と来迎印(らいごういん)、この2種類の印相を結ぶ
●来迎印(らいごういん)
下品上生(げぼんじょうしょう)
阿弥陀如来が、極楽浄土に必ず迎えに来ることを示す印相
「すべての人びとをむかえに行く」という意味が込められている
●阿弥陀定印(あみだじょういん)
上品上生(じょうぼんじょうしょう)
両手の人差し指を立てて、親指を乗せる印相
信仰が深く、正しいおこないをした人びとを極楽浄土へ迎えることを表す
➊二重円相光(にじゅうえんそうこう)
阿弥陀如来像の代表的な光背(こうはい)
円形の頭光(ずこう-頭の後ろからの光)
円形の身光(しんこう-体全体の後ろからの光)
で構成されている
❷肉髻(にっけい)
頭の、おわんを伏せたように盛り上がったところ
智恵によって頭のてっぺんがもりあがっている
❸肉髻珠(にっけいしゅ)
❹螺髪(らほつ)
髪の毛が1本1本、右回りにカールして固まったもの
❺白毫(びゃくごう)
おでこのまん中、丸まった白い毛から光を発して世界を照らし続ける
右回りに渦巻いている
❻三道(さんどう)
首にある三本のすじ
修行の三段階を示し、煩悩(ぼんのう)を持つ人間が仏となったしるし
❼阿弥陀定印(あみだじょういん)
信仰が深く
正しいおこないをした人を迎えるサイン
(上品上品)
最高に正しい人のサイン
❽衲衣(のうえ)
如来の法衣(袈裟(けさ))で粗末
釈迦が修行中に着ていた衣服がモデル
❾結跏趺坐(けっかふざ)
如来の一般的な坐り方
足の甲を反対側の足の太ももの上に乗せる
❿蓮華座(れんげざ)
ハスの花びらをかたどった台座
泥の中から花を咲かせる蓮華(ハス)は、仏の智恵や悟りの象徴
坐っている阿弥陀如来
平安時代の浄土宗は、生きている時の行いに応じて9つのランクがあり、
最高の上品上生(じょうぼんじょうしょう)は多くの菩薩たちと阿弥陀如来が来てくれる
阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)
願興寺(がんこうじ)(岐阜県)
重要文化財
鎌倉時代
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱え、日頃から阿弥陀如来を信じる人が臨終を迎えるとき、極楽浄土へ導いてくれるという如来
基本的な姿は釈迦如来像と同じだが、「阿弥陀定印」あるいは「来迎印」など独特の印を結んでいる
阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)
平等院(びょうどういん)(京都府)
国宝
平安時代
277.2㎝
平安時代の後期、仏師・定朝(じょうちょう)の寄木造(よせぎづくり)
日本独特の「和様(わよう)」技法が完成
阿弥陀定印を結び、穏やかな表情
阿弥陀如来坐像(あみだにょらい ざぞう)
白豪寺(びゃくごうじ)(奈良県)
重要文化財
鎌倉時代
138㎝
ヒノキ材を用いた寄木造の上の漆箔が施されている
大仏師「定朝(じょうちょう)様式」で上品さがある
九体阿弥陀如来像(くたいあみだにょらいぞう)
浄瑠璃寺(じょうるりじ)(京都府)
国宝
木造
中尊:224.2㎝
八体脇仏:140㎝前後
平安時代
日本に三十以上造像されたと伝わる九体阿弥陀如の現存唯一の像
生前の行い、心がけや努力によって、下品下生から上品上生まで九つの段階の極楽往生があると説かれる『観無量寿経』の教えにもとづき、九体の阿弥陀如来がまつられている
立っている阿弥陀如来
鎌倉時代になると、人びとは念仏をとなえ極楽往生に行こうとする浄土宗が流行する
浄土真宗の阿弥陀如来の本尊は、木造の立像と定められている
阿弥陀如来立像
八葉蓮華寺(はちようれんげじ)(大阪)
重要文化財
鎌倉時代
快慶(かいけい)が数多く手がけた三尺(約114㎝)阿弥陀如来像の一例
肉身は丹色の下地に金泥を、着衣は漆箔(しっぱく)仕上げ
阿弥陀如来立像(あみだにょらい りゅうぞう)
新善光寺(しんぜんこうじ)(京都)
鎌倉時代
後嵯峨天皇の勅願で新善光寺が創建された際、信州善光寺の阿弥陀如来像と同仏同体に鋳造されたという
この阿弥陀如来像は、左手が刀印(下げた左手の人差指と中指を伸ばし、他の指は曲げる)を結び、法衣は通肩(両肩を覆う)という異相を示す
また、両脇侍は胸前で両手の掌を水平にして重ねる梵篋(ぼんきょう)印を結び、頭には独特の宝冠をかぶっている
阿弥陀如来立像(あみだにょらい りゅうぞう)
奈良国立博物館
鎌倉時代
106.5㎝
衣服を着せてまつった
腹部には輪宝(りんほう)、股間には蓮華(れんげ)がつけられている
阿弥陀如来立像(あみだにょらい りゅうぞう)
璉珹寺(れんじょうじ)奈良
上半身は裸
下半身も裸だが、本物の袴でおおわれている
女性のように見えるため「女人裸形(らぎょう)の阿弥陀如来像」と呼ばれている
本尊の阿弥陀如来は、毎年五月にだけ開帳される
頭が大きい阿弥陀如来(五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀如来)
法蔵(ほうぞう)という僧侶は、すべての人を幸せにしたいと思い、「五劫(ごこう)」という永遠のような長い時間を考え抜き髪が伸びてしまった
五劫思惟の阿弥陀如来像は、その様子を表わしている
如来以前の姿なので、合掌印などの像が多い
「劫(こう)」、長い時間を表す単位で
一劫は43億2000万年の説があり
五劫は216億年となる
「未来永劫(みらいえいごう)」や「億劫(おっくう)」などの言葉は、この「劫」に由来する
五劫思惟阿弥陀坐像(ごこうしゆいあみだざぞう)
五劫院(ごこういん)(奈良-東大寺北)
重要文化財
宝髻(ほうけい)を結った阿弥陀如来(宝冠阿弥陀(ほうかんあみだ))
天台宗の円仁(えんにん)が唐(中国)から伝えた修行「常行三昧(じょうぎょうざんまい)」をする常行堂(じょうぎょうどう)に安置される阿弥陀如来と、
真言宗の阿弥陀如来は、大日如来(だいにちにょらい)の影響を受けて、宝髻(ほうけい)を結い上げている
宝髻(ほうけい)?
髪を頭の上で束ねた髪型
宝冠阿弥陀像(ほうかんあみだぞう)は、この宝髻を高くゆい、天冠台(てんかんだい-宝冠を受けるための台)をつける
宝冠阿弥陀如来坐像(ほうかんあみだにょらいざぞう)
悲田院(ひでんいん)(京都府)
鎌倉時代
快慶
72.1㎝
本来はその髻(もとどり)をおおううように冠をかぶっていた
平成21年に実施された調査で、無位時代の快慶(かいけい)作であることが判明した
阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)
代表的な阿弥陀如来の脇侍(きょうじ)は、右が観音菩薩(かんのんぼさつ)、左が勢至観音(せいしかんのん)
三体をひと組にして「阿弥陀三尊像」と呼ぶ
阿弥陀三尊像(あみだにょらいさんぞんぞう)
浄土寺(じょうどじ)(兵庫県)
国宝
木造
漆箔
彫眼
阿弥陀如来像 像高530.0㎝
観音・勢至菩薩像 ともに像高371.1㎝
鎌倉時代
お堂に夕日が差し込むと、雲に乗った阿弥陀如来が来迎する様が再現される、快慶(かいけい)の傑作です
阿弥陀三尊像(あみだ さんぞんぞう)
長楽寺(ちょうらくじ)(京都府)
崇徳(すとく)天皇の念持仏と伝わる阿弥陀如来
脇侍(きょうじ)の観音菩薩(かんのんぼさつ)、勢至菩薩(せいしぼさつ)は、すぐ動き出せるように、少し前かがみの姿勢です
阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)
清凉寺(せいりょうじ)(京都市)
国宝
ヒノキの一本造
平安時代
阿弥陀如来 178㎝
観音菩薩 166㎝
勢至菩薩 168㎝
『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルの1人といわれる源融(みなもとのとおる)が生前に発願し、死後一周忌に完成されたといわれる
その容貌は生前の源融を写したものといわれている
脇侍の観音と勢至菩薩像は、宝冠(ほうかん)や瓔珞(ようらく)などをつけ、密教仏の影響を受けた作品とされ、印も特異です
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