菩薩って?
「菩薩(ぼさつ)」とは、「悟りを求める者」という意味のサンスクリット語「ボーディ・サットヴァ(菩提薩埵(ぼだいさった))」の略です
慈悲(じひ)の心で人々を救う仏さまです
菩薩とは、如来になるために悟りを求めて修行(しゅぎょう)しています
「この世で苦しみ、悩んでいる人がいるかぎり、私は仏(如来)にはならない」と誓(ちか)いをたてました
菩薩像は、お釈迦さまが釈迦族の王子であったときの姿がモデルです
宝冠(ほうかん)やネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーを身につけています
手には、水瓶(すいびょう-水がめ)や蓮華(れんげ-ハスの花)のつぼみなどを持っています
観音菩薩(かんのんぼさつ)は、さまざまな姿に変身して、いつでもどこでも助けにきてくれると「観音経(かんのんきょう)」に書かれています
お釈迦さまの入滅(にゅうめつ)から56億7000万年後に仏となって、この世にあらわれる弥勒菩薩(みろくぼさつ)もいます
❶宝冠(ほうかん)
宝石類で飾った冠
❷宝髻(ほうけい)
長い髪を高く結い上げた髪型
❸白毫(びゃくもう)
額の中央にある右まわりに丸まった白い毛
❹三道(さんどう)
喉元にある三本のしわ
❺瓔珞(ようらく)
金・銀・真珠などをつないだネックレス
❻持物(じもつ)
仏像のもち物
持物にはそれぞれ意味があり、菩薩によって持物が違う
❼条帛(じょうはく)
左肩から右脇の下にまとうショール
❽天衣(てんね)
ショールのように肩にかけてまとう長い布
❾裙(くん)
スカートのように布を腰に巻きつける
裳(も)ともいう
❿蓮華座(れんげざ)
蓮華をかたどった台座
●観音菩薩
別名を「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」
インドでの名前は「アバローキテシュバラ」
日本では「光世音菩薩(こうぜおんぼさつ)」とも訳されていた
「苦しむ人びとが一心にその名をとなえれば、すぐにその音を観じて救いだす」と『法華経(ほけきょう)』に記されている
日本では、7世紀から国家を守り、人びとの現世の幸せを願い、十一面観音、千手観音など、三十三の姿に変化する観音がつくられるようになった
・聖観音(しょうかんのん)
人びとの願いに応じて姿を変える観音菩薩の基本
・十一面観音(じゅういちめんかんのん)
さまざまな表情の顔が11あり、あらゆる方向を見て人びとを救う
・千手観音(せんじゅかんのん)
多くの手でさまざまなものを持ち、無限の力で人びとを救う
・如意輪観音(にょいりんかんのん)
何でも願いがかなう如意宝珠(にょいほうじゅ)と法輪(ほうりん)を持っている
・不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)
縄を使って、苦しむ人びとを救う
・馬頭観音(ばとうかんのん)
煩悩(ぼんのう)を、むさぼり食う
・准胝観音(じゅんでいかんのん)
仏を誕生させる仏さま
※法隆寺の救世観音(くぜかんのん)、百済観音(くだらかんのん)、夢違観音(ゆめちがいかんのん)などは、すべて通称で、正式には聖観音菩薩
●菩薩
まだ修行中である菩薩たちは、優しく人びとに寄り添い、優美で親しみやすく、それぞれが個性的で、信仰を集めている
「慈悲」の観音(かんのん)菩薩・「智」の勢至(せいし)菩薩は、阿弥陀さまの手助け
普賢(ふげん)・文殊(もんじゅ)菩薩は、お釈迦さまのおそばに仕え
日光(にっこう)・月光(がっこう)菩薩は、お薬師さまのおそばで、人びとを看護する
・弥勒菩薩(みろくぼさつ)
56億7000万年後に如来になり人びとを救う
・地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
地獄など、あらゆる世界を巡って苦しむ人びとを救う
・文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
実在した智恵の仏さま 学力アップ
・普賢菩薩(ふげんぼさつ)
すごい行動力 慈悲と智恵で人びとを救う
・日光(にっこう)・月光菩薩(がっこうぼさつ)
薬師如来が人びとを救うのを手伝う
・虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
記憶力アップの仏さま
・勢至菩薩(せいしぼさつ)
智恵で、人びとを苦しみから救う
・五大力菩薩(ごだいりきぼさつ)
五大明王の化身
菩薩であるが忿怒面(ふんぬめん)をしている
●もう少し観音さま
慈悲深い菩薩であるから、人々が六道に転生しても、
それぞれの世界で姿を変えて人びとを救いにくる
天台密教では、
地獄では「聖観音」
餓鬼道では「千手観音」
畜生道では「馬頭観音」
阿修羅道では「十一面観音」
人間道では「不空羂索観音」
天道では「如意輪観音」
と、姿を変える
真言宗は、「不空羂索観音」の代わりに「准胝観音」を加える
両方を入れ「七観音」とするものもある
八大観音、十五尊観音、十六観音
さらに三十三観音などもある
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