大日如来って?

2022年4月1日

大日如来(だいにちにょらい)

🌟金剛界大日如来(こんごうかい だいにちにょらい)

梵字:バン

真言:おん ばさら だどばん

智拳印(ちけんいん)

🌟胎蔵界大日如来(たいぞうかい だいにちにょらい)

梵字:アーンク

真言:おん あびらうんけん

法界定印(ほっかいじょういん)

大日如来は、弘法大師(こうぼうだいし)空海(くうかい)が伝えた密教の最高位の絶対的な仏さまです

密教では、宇宙は、ダイヤモンドのように、こわれない智恵の世界、金剛界(こんごうかい)と、
すべてを包みこむ慈悲の世界、胎蔵界(たいぞうかい)で、できていると考えられてます
大日如来そのものです

金剛界(こんごうかい)大日如来は、最高の悟りの智恵をしめし、忍者のように手指を組む智拳印(ちけんいん)を結んでいる

胎蔵界(たいぞうかい)大日如来は、悟りのはたらきである慈悲をしめし、坐禅をするときのように手指を組む法界定印(ほっかいじょういん)を組んでいる

すべての如来・菩薩・天などは、大日如来が姿を変えたものとされ、ほかの如来とは違い、宝冠(ほうかん)をかむり、胸かざりや腕輪など、ごうかなアムセサリーをつけています

毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)をパワーアップさせた全宇宙の仏さまです

二重円相光(にじゅうえんそうこう)

円形の頭光(ずこう-頭の後ろからの光)
円形の身光(しんこう-体全体の後ろからの光)
で構成されている

宝冠(ほうかん)

宝石がいっぱい飾った冠

気高い仏像であることを示す

宝髻(ほうけい)

長い髪の毛を高くゆっている

如来だが螺髪でない

白毫(びゃくごう)

おでこの白い巻き毛から光を発して世界を照らし続ける

右回りに渦巻いている

智拳印(ちけんいん)

右手は仏、左手は人びとを表し、人びとが仏さまの中に入るサイン

瓔珞(ようらく)

金・銀・真珠などをつないだネックレス

条帛(じょうはく)

上半身をななめにまとう布

臂釧(ひせん)

腕の上のほうにつけるブレスレット

腕釧(わんせん)

手首につけるブレスレット

結跏趺坐(けっかふざ)

大日如来は如来の特別の仏さま
立像はなく、どっしりと坐っている

蓮華座(れんげざ)

ハスの花びらをかたどった台座

泥の中から花を咲かせる蓮華(ハス)は、仏の智恵や悟りの象徴

🌟金剛界大日如来(こんぎうかい だいにちにょらい)

金剛界とは、ダイヤモンドのようにこわれない智恵の世界

🔷智拳印(ちけんいん)

右手は仏、左手は人びとを表し、人びとが仏さまの境地に入ることを示す

大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)

石山寺(いしやまでら)(滋賀県)

重要文化財
鎌倉時代
101.71㎝
(多宝塔の正面外側の窓からの参拝)

快慶(かいけい)作
『大日経』に、大日如来は『菩薩の身を獅子座になる(菩薩の尊体をもって、仏陀の説法の座についている)』と説かれている

大日如来坐像(だいにちにょらい ざぞう)

円成寺(えんじょうじ)(奈良県)

国宝
平安時代

蓮華台の天板裏の墨書銘から、若き日の運慶(うんけい)により1175(安元元)年10月から翌年11月にかけて制作されたことが判明

手がけたのは20代半ばで、父・康慶(こうけい)から仏師として認められた初仕事といわれます

🌟胎蔵界大日如来(たいぞうかい だいにちにょらい)

胎蔵界とは、お母さんのおなかの中

🔶法界定印(ほっかいじょういん)

釈迦が悟った時のサイン

座禅を組むときに結ぶ印である
これは経典に「三昧(ざんまい)に任せり」と書かれているためで、三昧とは座禅をして瞑想に入ってるという意味である

胎蔵大日如来(たいぞう だいにちにょらい)

鑁阿寺(ばんなじ)
像高  151.1cm
台座高 188.3cm
光背  300.0cm
鎌倉時代
※通常非公開

鑁阿寺本堂は、弘安10年(1287)に火事になり、正安元年(1299)に建てなおされていることから、この像もその頃に造られたものと思われてます

大日如来坐像(だいにちにょらいざぞう)胎蔵界(たいぞうかい)

興福寺(滋賀県)

重要文化財
平安時代
150.7㎝

宝冠(ほうかん)や光背などは後世の補修と思われている

大日如来はサンスクリット語で「マハーヴァイローチャナ」といい、「遍(あまね)く光を照らす者」の意味を持つ

胎蔵大日如来坐像(たいぞうだいにちにょらいざぞう)

高野山金剛峰寺(こんごうぶじ)(和歌山県)

大塔(多宝塔)内に安置されている胎蔵大日如来像

大日如来らしい黄金に輝く仏像である

五智如来(ごちにょらい)

大日如来の智恵を分けて受け持つ五仏(ごぶつ)

金剛界(こんごうかい)五智如来と胎蔵界(たいぞうかい)五智如来がいる

胎蔵界(たいぞうかい)五智如来

密教で、慈悲を表す胎蔵界大日如来(中央)
左の阿閦(あしゅく)如来、西の阿弥陀如来(あみだにょらい)、北の不空成就(ふくうじょうじゅ)如来、南の宝生(ほうしょう)如来とあわせて五仏と呼ばれる

まだまだ大日如来

唐招提寺(奈良県) 平安時代
白杵石仏(大分県)国宝 平安時代~鎌倉期
東寺(京都府) 室町時代
真如苑(真澄寺)(東京都)運慶作?