お不動さま?って
不動明王(ふどうみょうおう)
明王のなかで最もえらい仏さまは、お不動さん
梵字:カーン
真言:のうまく さんまんだ ばさらだん かん
[眷属(けんぞく)]
矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)をはじめとする八大金剛童子(こんごうどうじ)
全宇宙をつかざどる大日如来の化身(姿を変えてあらわれたもの)である、不動明王
大日如来の脇侍(きょうじ)としてまつられます
炎を背おい、ごつごつとした岩の台座に、どっしりとすわる、あるいは立った姿から「お不動さま」とよばれます
不動とは、人びとの苦しみを救いたいという決意がけっしてゆるがないことをあらわしています
いかりの表情で、宝剣を持ち、人びとの煩悩をとりのぞき、ふりかかる災いを打ちくだいて、私たちを守ってくれる
インド名は「アチャラナータ」
インド神話のシヴァ神の異名は「動かない守護者」
弘法大師が唐より帰国する際に海が荒れたため
不動明王像に祈念すると像が動き出し
波を切るような動作をして
波を鎮めたとされる
酉(とり)年の守り本尊で、「悪魔退散(あくまたいしん)」「修行者守護(しゅぎょうしゃしゅご)」「除災招福(じょさいしょうふく)」「家内安全(かないあんぜん)」「国家安泰(こっかあんたい)」のご利益があります
❶火焔光背(かえんこうはい)
❷券髪(けんぱつ)
頭髪がくるくる巻いているもの
総髪(そうはつ-直毛)もある
❸宝剣(ほうけん)
悪や災いを打ち砕き
大日如来の智恵をあらわす
❹水波相(すいはそう)
額のしわ
❺天地眼(てんちがん)
右目を天に、左目を地に向け不動明王に特有の相
世界のすべてを見ていることを表す
平安時代中期以後の像に見られる
❻弁髪(べんぱつ)
頭部の左側にまとめて垂らした
おさげ髪
❼牙上下出(がじょうげしゅつ)
右の牙を上方、左の牙を下方に出す
激しい怒りを示す
不動明王に特有
❽条帛(じょうはく)
❾羂索(けんさく)
人びとを救う五色の投げ縄
❿矜羯羅童子(こんがらどうじ)
やさしい心で、仏教に従順
蓮華をもつこともある
⓫制多迦童子(せいたかどうじ)向かって左
やんちゃで、悪を打ち砕く金剛杵をもつ
不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう)
佛法紹隆寺(ぶっぽうしょうりゅうじ)長野県
長野県指定文化財
鎌倉時代
像高 42.0㎝
運慶もしくは運慶工房の可能性が高い
不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう)
浄楽寺(じょうらくじ)神奈川県
重要文化財
鎌倉時代
像高135.5㎝
木造
腰をやや右に、ひねってる
憤怒の表情の中に玉眼が光っている
不動明王像(ふどうみょうおうぞう)
京都国立博物館蔵
白不動明王立像(しろふどうみょうりゅうぞう)
神童寺(じんどうじ)京都府
重要文化財
平安時代(12世紀)
像高 162.1㎝
白い彩色が全身に残る
不動明王にしては珍しく醜悪とはいえない。
不動明王像(ふどうみょうおうぞう)
正寿院(しょうじゅいん)(京都府)
重要文化財
鎌倉時代
像高45.0㎝
木造
彩色
玉眼
載金
快慶作
🔶不動明王は、怒りの表情を浮かべた制多迦童子(せいたかどうじ)と優しい矜羯羅童子(こんがらどうじ)の二童子を従える
慧光童子(えこうどうじ)、慧喜童子(えきどうじ)、烏倶婆誐童子(うくばがどうじ)、清浄比丘(しょうじょうびく)、阿耨達童子(あのくたどうじ)、指徳童子(しとくどうじ)を加えて八大童子を脇侍(きょうじ)とする場合もある
不動明王(ふどうみょうおう)二童子立像(にどうじりゅうぞう)
岩間山正法寺(滋賀県)
重要文化財
平安時代
像高 97.6㎝(不動明王)
66.4㎝(矜羯羅)
63.4㎝(制多迦)
左肩に弁髪を垂らし、忿怒面(ふんぬめん)には天地眼、牙上下出(がじょうげしゅつ)、水波相など、不動明王の特徴が見られる
不動明王(ふどうみょうおう)二童子立像(にどうじりゅうぞう)
真木大堂(大分県)
重要文化財
平安時代
像高 249.1㎝(不動明王)
125.8㎝(矜羯羅)
129.5㎝(制多迦)
不動三尊像(ふどうさんぞんぞう)
浄瑠璃寺(京都府)
重要文化財
像高 99.5㎝
ヒノキ寄木造
玉眼
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