降三世明王って?
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)
こわーい顔(; ・`д・´)で人を踏みつけている!
梵字:ウーン
真言:「オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バサラ・ウン・パッタ」
名前から、三つの世界を降参(こうさん)させた明王???
ヒンドゥー教の最高神 大自在天(だいじざいてん)(シヴァ神)は、自分が三世界(すべての世界)の主であると、密教の最高 大日如来(だいにちにょらい)に従わなかった
降三世明王は、その大自在天(シヴァ神)を降伏させ、降三世(ごうざんぜ)、勝三世(しょうさんぜ)と呼ばれ、
左足で大自在天(シヴァ神)を、右足で その妻の烏摩妃(うまひ)を踏みつけている像が多い
彼らを踏みつける降三世明王の両足は「禅定」と「智慧」をそれぞれ意味している
インド名は「ソバニ」
梵語名は「トライローキャヴィジャヤ」
「三世」(過去・現在・未来)の欲界・色界・無色界の「三界」にわたり悪を退け、
「貧(とん=貪り)・瞋(じん=怒り)・痴(ち=愚かさ)」の「三毒(さんどく)」を、滅ぼすものとして「降三世」という名になったという説もある
五大明王のひとつであり、東方を守る
阿閦如来(あしゅくにょらい)が怒りの姿で現れた化身
サンスクリット名は「三つの世界を降伏する者」を意味する
お姿の特徴は、三面八臂(もしくは六臂)
三面全てが三目で、第一手に降三世印を結び、残りの手には金剛鈴、三鈷鉾、弓矢、利剣、白蛇(索)などを持ちます
御利益は、「悪魔退散」・「煩悩除去」・「怒りを抑える」です
❶焔髪(えんぱつ)
❷三叉戟(さんさげき)
❸金剛杵(こんごうしょ)
❹忿怒面(ふんぬめん)
三つ(もしくは四つ)の顔をもつ
❺第三の目(だいさんのめ)
❻矢(や)
❼弓(ゆみ)
❽宝剣(ほうけん)
❾降三世印(ごうざんぜいん)
左右の小指をからませ、両手の人差し指を立てる独特の印相
❿虎皮裙(こひくん)
虎皮の裙(腰巻)
虎(トラ)のような強さを表す
⓫烏摩妃(うまひ)
大自在天の妻
⓬大自在天(だいじざいてん)
仏教に使わないヒンドゥー教の最高神「シヴァ神」
⓭岩座(いわざ)
降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)
大覚寺(だいかくじ)(京都府)
重要文化財
制作 平安時代
像高 66.8㎝
五大明王像のうちの一体
大自在天(だいじざいてん)と烏摩妃(うまひ)を踏みつけて立つ
八本の手のうち、二本で降三世印(ごうざんぜいん)を結び、残りの六本で弓や宝剣などの持物を握る
降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)
東寺(とうじ)(京都)
国宝
平安時代
像高 約1.7m
木造彩色(乾漆補)
四面(しめん:顔が4つ)・八臂(はっぴ:手が8本)で、 正面の顔には眉間にも目があり三目となっている
左右の第一手で独特の降三世印(小指を絡めて腕を交差させる)を結び、
第二の右手は金剛杵、左手は金剛戟を持ち、
第三の右手は矢、左手は弓、
第四の右手は刀、左手は索を持っている
左足下に大自在天(シヴァ神)右足下にその妃である烏摩(ウマー)を踏んでいる
降三世明王像(ごうざんぜみょうおうぞう)
常福寺(じょうふくじ)(三重県)
五体あわせて重要文化財
平安時代
像高 173.3㎝
カヤ材
一木造
五大明王像は本堂正面の大きな厨子内に揃って安置されている。
中央に不動明王、向かって右手前が降三世明王、左が軍荼利明王、後ろ側に大威徳明王と金剛夜叉明王という通例の配置である
降三世明王が踏まえるヒンズー神夫妻は、夫のシヴァ神は頭を踏みつけながらも合掌し、妻のウマは片手で明王の右足を支える
仏教に帰依し明王を支えているという姿であらわされている
💎胎蔵大日如来の化身が不動明王で、金剛界大日如来の化身が降三世明王であるとされることもあり、
不動明王とともに、大日如来の脇侍(きょうじ)となって三尊形式を取ることもある
降三世明王坐像(ごうざんぜみょうおうざぞう)
天野山金剛寺(あまのさん こんごうじ)(大阪)
国宝
鎌倉時代
像高 201.0cm
ヒノキ材
寄木造
運慶作?
不動明王とともに、大日如来の脇侍
大きな像で座っている
少し斜めを向いて、群青色の肌の色がしっかり残っている
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