仏像のグループ分け「如来」「菩薩」「明王」「天」

お寺には、さまざまな仏教がまつられています

仏像のキャラは多種多様!

仏像の名前も多く、ファッションや持ち物もさまざま

まず、グループ分けると、「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天(てん)」の4つです

4つのグループの他に、神像(しんぞう)や高僧像(こうそうぞう)などがあります

◎如来

完全な悟(さと)りを得た
仏さまのなかのボス

この世に生まれ、苦行の末に悟りを得て仏となったお釈迦さま、どんな姿をしていたのか-
ふつうの人間とはちがう特徴を持っていたはずだと昔の人々は考えました

釈迦如来(しゃかにょらい)

釈迦如来 飛鳥寺(奈良)

体は金色(こんじき)にかがやき
眉間(みけん-おでこ)(白毫(びゃくもう))から光を発する
智恵(ちえ)によって頭のてっぺんがもりあがり
髪の毛はカール(うずまき)している
指の間には水かき(カエルの手のよう)があり
手指のサインで教えをしめす
足の裏には教えをしめす模様があるなど、如来には32の大きな特徴があるとされました
王子の地位や財産を捨てて出家したことから衣1枚を身につけているだけ

阿弥陀如来(あみだにょらい)

阿弥陀如来 清涼寺(京都)

死後、極楽浄土(ごくらくじょうど)に生まれ変わらせてくれる

薬師如来(やくしにょらい)

薬師如来坐像 勝常寺(福島)

病気のときに救ってくれる

毘盧遮那如来(びるしゃなぶつにょらい)

毘盧遮那仏坐像 東大寺(奈良)

大日如来(だいにちにょらい)

大日如来坐像 石山寺(滋賀) 

◎菩薩(ぼさつ)

王子時代のお釈迦さまの姿をモデルにして、宝冠(ほうかん)や胸かざり、腕輪(うでわ)などのアクセサリーを身につけています
そして手には、きよらかさをしめす水瓶(すいびょう-水がめ)や蓮華(れんげ-ハスの花)のつぼみなどを持っています

菩薩は、如来になるために悟りを求めて修行(しゅぎょう)をしています
「この世で苦しみ、悩んでいる人がいるかぎり、私は仏(如来)にはならない」と誓(ちか)いをたてている、慈悲(じひ)の仏さまです

千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)

千手観音菩薩 大蔵寺(福島)

観音菩薩(かんのんぼさつ)は、私たちがその名をとなえると、さまざまな姿に変身して、いつでもどこでも助けにきてくれます

聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)

聖観音 天台寺(岩手)

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

菩提半跏像仏像 岡寺(奈良)

釈迦さまの入滅(にゅうめつ)から56億7000万年後に仏となって、この世にあらわれることが決まっている

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

地蔵菩薩 満願寺 (神奈川)

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

文殊菩薩騎獅像 禅定寺(京都府)

日光菩薩(にっこうぼさつ)・月光菩薩(がっこうぼさつ)

日光月光菩薩 東大寺(奈良)

◎明王(みょうおう)

メラメラと燃えさかる炎をバックに、おそろしい表情をした明王(みょうおう)

煩悩(ぼんのう)にとらわれて如来の教えにしたがわない人々を善にみちびきます

ヘアスタイルは、中国の勇者のような弁髪(べんぱつ-おさげ髪)
あるいは激しい いかりによって髪の毛が逆立った怒髪(どはつ)

いくつもの顔や腕(うで)があったり
手にあらゆる武器を持っていたり
ドクロをつないだ首かざりやヘビを巻きつけていたり

明王は、弘法大師(こうぼうたいし-空海)によって日本に伝えられた密教(みっきょう)に登場します
密教とは秘密の仏教のことです
真言(しんごん-如来の真実の言葉)をとなえることで、ご利益(りやく)をいただけます

不動明王(ふどうみょうおう)

不動明王 佛法紹隆寺(長野)

降三世明王(ごうざんぜみょうおう)

降三世明王 大覚寺(京都)

大威徳明王(だいいとくみょうおう)

大威徳明王 大覚寺(京都) 

金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)

大威徳明王 大覚寺(京都) 

軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)

軍荼利明王-大覚寺 (京都)

◎天部

仏の世界を守る神々(かみがみ)
福徳(ふくとく)をあたえてくれる仏さま

お釈迦さまが誕生する前から信仰されていた古代インドの神々が、仏教の守護神(しゅごしん)となったといわれています

仏教がインドから中国を経由して日本にいたるまでに、各地のさまざまな神々をとりこんで、その姿はインド風だったり中国風だったりします

日本でよく知られている七福神(しちふくじん)
毘沙門天(びしゃもんてん)は甲冑(かっちゅう)姿の武人(ぶじん)
弁財天(べんざいてん)は羽衣(はごろも)を身にまとった天女(てんにょ)
寿老人(じゅろうじん)は長いヒゲを持つ老人の姿・・・
男女の性別がはっきりして、人間に近い姿をしています

帝釈天(たいしゃくてん)

帝釈天 東寺 (京都)

梵天(ぼんてん)

梵天 東寺(京都)

毘沙門天(びしゃもんてん)

毘沙門天 願成就院 (長野)

増長天(ぞうちょうてん)

増長天立像

多聞天(たもんてん)

多聞天 興福寺(奈良)

広目天(こうもくてん)

広目天 浄瑠璃寺 (京都)

持国天(じこくてん)

持国天 東寺(京都)

金剛力士(こんごうりきし)

金剛力士像 興福寺(奈良)

八部衆(はちぶしゅう)

阿修羅 興福寺(奈良)

吉祥天(きちじょうてん)

吉祥天 浄瑠璃寺 (京都府)

●仏さまの従者たち

如来・菩薩・明王にもそれぞれ従者や仲間がいます

本尊の仏さまの両わきにまつる従者を「脇侍(わきじ・きょうじ)」

その他の従者は「眷属(けんぞく)」といいます

眷属は、竜王(りゅうおう)や夜叉(やしゃ-鬼神(きじん))までさまざま
仏教の守護神とされる「天竜八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)」

薬師如来に使える「十二神像(じゅうにしんぞう)」

千手観音に仕える「二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)」

天の神々や眷属たちは、「須弥山世界(しゅみせん せかい)」に住んでいます

●お釈迦さまの弟子

お釈迦さまには、魔訶迦葉(まかかしょう)、阿難陀(あなんだ)、舎利弗(しゃりほつ)など10人のすぐれた弟子がおり、「十大弟子(じゅうだいでし)」といわれています

修行僧の最高位を「阿羅漢(あらかん)」といい、十六羅漢五百羅漢がいます

阿羅漢のトップは賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)
おびんずるさま」とよばれ、体のどこかが痛いときに その像の同じ部分をなでると治るといわれています

仏像について

Posted by susu