十二神将って?
十二神将(じゅうにしんしょう)
十二神将(じゅうにしんしょう)は、薬師如来(やくしにょらい)専属(せんぞく)のガードマン集団
「天(てん)」という名前はついていないけれど、天の仲間
十二神将は、薬師如来が人びとを救うために立てた「十二の誓願」に応じて現れる分身
それぞれの十二神将が、七千の夜叉(やしゃ)を従えて、衆生の救済を行っている
甲冑(かっちゅう)をまとい、武器を手に、忿怒(ふんぬ)の表情を浮かべる
十二神将
新薬師寺(しんやくしじ)(奈良県)
国宝
奈良時代
像高 約160㎝
奈良時代の天平期に、わらを混ぜた粘土でつくった塑像(そぞう)
現在は、ほとんど色が残っていないが、造立当初は極彩色に彩られていたという
東アジア地域では、古くから時間や方角を12に区分し
それぞれに12種類の動物を当てはめる風習がありました
日本でも平安時代後期以後は、十二支と組み合わされ、頭上に十二支の獣をつけるようになった
十二神将は、いつでもどの方向にも、目を光らせている
方位と持物(じもつ)の規定は厳密ではない
「病気平癒」「身体健全」「除病延寿」「災難除去」「現世利益」などのご利益がある
●毘羯羅大将(びがら)
子(ね)
三鈷杵(さんこしょ)
梵字:キリーク
真言:おん びから そわか
●招杜羅大将(しょうとら)
丑(うし)
剣(けん)
梵字:タラーク
真言:おん しょとら そわか
●真達羅大将(しんだら)
寅(とら)
宝棒(ほうぼう)・宝珠(ほうじゅ)
梵字:タラーク
真言:おん しんだら そわか
寅神
十二神将立像
奈良国立博物館
鎌倉時代 13世紀
像高35.2
檜(ヒノキ)材 一木造 彩色 玉眼
●摩虎羅大将(まこら)
卯(う)
斧(おの)
梵字:マン
真言:おん まこら そわか
●波夷羅大将(はいら)
辰(たつ)
弓・矢
梵字:アン
真言:おん はいら そわか
辰神(しんしん)
東京国立博物館
鎌倉時代・13世紀
ヒノキ材寄木造り
木造、彩色・切金、玉眼
現在、東京の静嘉堂文庫美術館と東京国立博物館が分蔵する十二神将像は、
江戸時代まで、重要文化財「薬師如来像」(浄瑠璃寺三重塔の本尊)とともに
京都府加茂町の浄瑠璃寺にまつられていました
運慶系統の仏師の作と考えらている
●因陀羅大将(いんだら)
巳(み)
三叉戟(さんさげき)
梵字:アン
真言:おん いんだら そわか
巳神(ししん)
十二神将立像(じゅうにしんしょうりゅうぞう)
福岡市美術館
重要文化財
平安時代 11-12世紀
約100㎝
木造(桧材)漆箔
薬王密寺東光院(博多区吉塚)から寄贈されたものだそうです
東光院は806年に、最澄によって開かれたと伝わっています
十二体とも100㎝余りの像で、頭上には十二支の動物がつけられている
鎧(よろい)に重圧感があるうえ、それぞれ個性的な表情や姿勢をみせる
寅神、辰神、巳神、午神の鎧のように、模様を彫刻で表すのは、九州の独特表現
●珊底羅大将(さんてら)
午(うま)
法螺貝(ほらがい)
梵字:サク
真言:おん さんちら そわか
●頞儞羅大将(あにら)
未(ひつじ)
矢
梵字:バン
真言:おん あにら そわか
●安底羅大将(あんてら)
申(さる)
宝珠(ほうじゅ)
梵字:バン
真言:おん あんちら そわか
●迷企羅大将(めきら)
酉(とり)
独鈷杵(とっこしょ)
梵字:カーン
真言:おん めきら そわか
●伐折羅大将(ばざら)
戌(いぬ)
剣
梵字:キリーク
真言:おん ばさら そわか
戌神(じゅつしん)
木造十二神将立像(もくぞうじゅうにしんしょうりゅうぞう)
興福寺東金堂
国宝
鎌倉1207年
桧材、寄木造、彩色、彫眼
像高113.0~126.6cm
12躰ともに現存する鎌倉時代の優品守護神らしく武装しているが、頭部に十二支をあらわす動物が彫られている
戌神(じゅつしん)というのは「イヌの神」という意味
●宮毘羅大将(くびら)
亥(い)
剣
梵字:キリーク
真言:おん くびら そわか
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