准胝観音って?

准胝観音(じゅんていかんのん)

梵字:ボ

真言:おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか

「准胝(じゅんてい)」の意味は「限りなく清い」という

そして、限りなく仏を誕生させる

准胝観音は千手観音と似ているが胸の前の手は合掌印(がっしょういん)ではなく、説法印(せっぽういん)を結ぶ

一面三眼十八臂(いちめんさんがんじゅうはちぴ)

1つの顔、3つの目と18本の腕を持ち、数珠や武器を持つ観音さまです

真言密教では六道の人間道に転生した人びとを救う、六観音の一尊とされます

天台密教では、観音ではなく仏母(ぶつも-仏をたくさん生んだ母)とされ、「准胝仏母(じゅんていぶつも)」とも呼ばれる
(※天台宗では代わりに不空羂索観音を六観音に加える)

江戸時代以降は、禅宗寺院でまつられることも多かった

母性を象徴するとされ、特に子授け、安産のご利益がある

准胝観音のインド名は「サプタコーティ・ブッダマートリ」

准胝観音さまは、真言「おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか」を毎日108回唱える人に、最長で21年間、閻魔大王(えんまだいおう)に寿命を延ばすよう命じるそうです(;^ω^)

天冠台(てんかんだい)
頭の周りにかぶる輪

第三の目
頭の中央にある目
仏眼ともいう

三道(さんどう)
首にある三本のすじ

煩悩(ぼんのう)を持つ人間が修行して仏となったしるし

法輪(ほうりん)
お釈迦さまの教えを広めることを象徴している

蓮華(れんげ)
泥の中から煩悩(ぼんのう)にまみれずに咲くハスの花

説法印(せっぽういん)

(おの)
人びとを守るための武器

(けん)

水瓶(すいびょう)
人びとの願いを叶える「功徳水(くどくすい)」が入っている
この水を注がれた人びとは煩悩(ぼんのう)が消え去る

碗釧(わんせん)
手首につけるブレスレット

数珠(じゅず)
智慧(ちえ)を表す

天衣(てんね)
ショールのように肩にかけてまとう長い衣
体の前や横に垂らす

蓮華座(れんげざ)
ハスの花びらをかたどった台座

泥の中から花を咲かせる蓮華(ハス)は、仏の智恵や悟りの象徴

・准胝観音立像(じゅんていかんのんりゅうぞう)

黒田観音寺(滋賀県)

重要文化財
平安時代
像高 199㎝

准胝観音の特徴の第三の目は、この像では見られず、代わりに白毫(びゃくごう)のようなものが見られる

・准胝観音菩薩立像(じゅんてい かんのん ぼさつ りゅうぞう)(お前立ち)

長楽寺(ちょうらくじ)(京都府)

普段は厨子の中に納められ、天皇ご即位のときのみ開帳されるという秘仏で、本尊はその前立像です

その昔、最澄が日本と中国の航海の途中に船が難破しそうになった時に、

「南無観世音菩薩」と、唱えると、二匹の龍にまたがった観音さまがあらわれ、たちまち波が静まったという

その時の、二匹の龍にまたがった観音さまを最澄が造ったとされる

・准胝観音菩薩像(じゅんでいかんのんぼさつぞう)

大報恩寺(だいほうおんじ)(千本釈迦堂)(京都府)

重要文化財
鎌倉時代
木造・素地
像高 175.7㎝

像内から発見された墨書銘に「肥後別当定慶(ひごべっとうじょうけい)」の署名があり、運慶(うんけい)の弟子の定慶の傑作です

胸飾(むなかざり)や瓔珞(ようらく)を止めていたと思われる釘やその穴があるとか・・・
当初の姿を見たいものです(´ω`)