金剛力士って?
金剛力士(こんごうりきし)
金剛力士とは、「金剛杵(こんごうしょ)を手にする者」という意味で、仏教の守護神
ほとんどは寺院の大門などに、二体一対で安置され、仁王(におう)と呼ぶ
仁王は口を開けた阿形像(あぎょうぞう)と、口を結んだ吽形像(うんぎょうぞう)が一対となる
「阿」はサンスクリット語における最初の音
「吽」は最後の音であることから、「阿吽」は万物の最初から最後までを示す
●阿(あ)
梵字:ア
真言:ナマサマンダバ・サラナン・トラダリセイ・マカロシヤナキャナセサルバダタアギャタネン・クロソワカ
●吽(うん)
梵字:ウン
真言:ナマサマンダバ・サラナン・ケイアビモキャ・マカハラセンダキャナヤキンジラヤ・サマセ・サマセ・マナサンマラ・ソワカ
阿吽の仁王様は「オン・ウーン・ソワカ」と唱える
本来は一体の神で、執金剛神(しゅこんごうしん)と呼ぶ
仏敵の侵入を防ぐため、二体に分れて金剛力士一対となった
金剛力士のご利益は「仏教守護」「身体健全」「健脚」
❶髻(もとどり)
髪を頭上に集めて束ねたもの
❷天衣(てんね)
ショールのように肩にかけまとう長い衣
❸忿怒面(ふんぬめん)
激しい怒りの表情で、口を開けているのが阿形
口を閉じているのが吽形
❹碗釧(わんせん)
ブレスレット
❺半裸(はんら)
上半身は裸で筋骨隆々
❻金剛杵(こんごうしょ)
煩悩を打ち砕き、仏教を守るための武器
❼裙(くん)
スカートのように腰に巻きつける布
裳(も)ともいう
❽足釧(そくせん)
足飾り
金剛力士像(こんごうりきしぞう)
阿形像(あぎょうぞう)
興福寺(こうふくじ)(奈良)
国宝
鎌倉時代
154.0㎝
檜(ヒノキ)材の寄木作り
玉眼
吽形像(うんぎょうぞう)
南大門金剛力士立像(なんだいもん こんごうりきし りゅうぞう)
阿形像(あぎょうぞう)
運慶・快慶作
吽形像(うんぎょうぞう)
東大寺(とうだいじ)(奈良)
国宝
鎌倉時代
838㎝
寄木造(よせぎづくり)
定覚・湛慶作
東大寺の南大門に立つ金剛力士像
運慶・快慶ら20人近い仏師が2か月程で造像
見上げたときに迫力が出るよう制作されている
金剛力士像(こんごうりきしぞう)阿形(あぎょう)
福岡市美術館
南北朝時代
209.8㎝
右腕には金剛杵をもたず、掌を下に向けて指を開いている
金剛力士像(こんごうりきしぞう)吽形(うんぎょう)
福岡市美術館
南北朝時代
208.1㎝
像高が2m以上ある巨大な一対の金剛力士像
金剛力士像(こんごうりきしぞう) 阿形像(あぎょうぞう)
金剛院(こんごういん)(京都府)
重要文化財
鎌倉時代(12-13世紀)
176.3㎝
金剛力士像(こんごうりきしぞう) 吽形像(うんぎょうぞう)
金剛院(こんごういん)(京都府)
重要文化財
鎌倉時代(12-13世紀)
177.3㎝
執金剛神立像(しっこんごうしんりゅううぞう)
東大寺 法華堂(三月堂)(奈良)
国宝
奈良時代
170.4㎝
塑像
良弁(りょうべん)東大寺初代住職の発願
執金剛神は、お釈迦さまのガードマン
「執金剛神」は金剛力士の別名
「金剛杵(こんごうしゅ―法具)を執る(とる-運用する)者」という意味
甲冑(かっちゅう)を身に着け、忿怒相(ふんぬそう)
右手で掲げるヴァジュラ(金剛杵)は、もともと帝釈天(たいしゃくてん-古代インドのインドラ神)が手にする雷電(稲妻)
全ての敵を破壊する
ヴァジュラにはダイヤモンドの意味もある
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