聖観音って?観音菩薩?!
聖観音(しょうかんのん)
梵字:サ
真言:おん あろりきゃ そわか
観音菩薩(かんのんぼさつ)は、千手観音(せんじゅかんのん)や十一面観音(じゅいちめんかんのん)などの、33の姿に変身するので、「変化(へんげ)観音」と呼びます
そして、聖観音は、観音(かんのん)さまの基本形です
観音菩薩像は、化仏(けぶつ)と呼ばれる小さな阿弥陀如来(あみだにょらい)を宝冠(ほうかん)や、ひたいにつけているものが多い
瓔珞(ようらく)ネックレス、臂釧(ひせん)・碗釧(わんせん)ブレスレットなどを身につけ、水瓶(すいびょう)や蓮華(れんげ)をもっている場合が多い
密教(みっきょう)では聖観音、十一面観音、千手観音、如意輪(にょいりん)観音、馬頭(ばとう)観音、准胝(じゅんてい)観音(または不空羂索(ふくうけんさく)観音)が「六観音(ろくかんのん)」とされ、地獄道(じごくどう)、餓鬼道(がきどう)などの「六道(ろくどう)」に落ちた人びとを救う
❶化仏(けぶつ)
化仏とは、頭上に付属する小型の如来像のことで、聖観音菩薩は阿弥陀如来の化仏を宝冠いつけている
❷宝髻(ほうけい)
長い髪を高く結い上げた髪型
❸宝冠(ほうかん)
宝石類で飾った冠
❹白毫(びゃくもう)
額の中央にある右まわりに丸まった白い毛
❺瓔珞(ようらく)
金・銀・真珠などをつないだネックレス
❻臂釧(ひせん)
上腕につける飾り
❼水瓶(すいびょう)
人びとの願いを叶える「功徳水(くどくすい)」が入っていて、いくら使っても尽きない
❽碗釧(わんせん)
手首につけるブレスレット
❾天衣(てんね)
ショールのように肩にかけてまとう長い衣
体の前や横に垂らす
❿裙(くん)
スカートのように腰に巻きつける布
裳(も)ともいう
⓫蓮華座(れんげざ)
蓮華をかたどった台座
・聖観音菩薩立像(しょうかんのんぼさつりゅうぞう)
東慶寺(とうけいじ)(神奈川県)
重要文化財
鎌倉~南北朝時代
救いを求める人に応じた姿に変化するのが観音菩薩の特徴だが、聖観音は人間に近い姿をしている
髪を結い上げて宝冠を被り、右手に蓮の花を持ち、左手に水瓶を持つ姿がよく見られる
・聖観音菩薩立像(しょうかんのんぼさつりゅうぞう)
瀧山寺(たきさんじ)(愛知県)
重要文化財
鎌倉時代
174.4㎝
仏師 運慶(うんけい)と湛慶(たんけい)の親子が作成
源頼朝の菩提を弔うために造立し、頼朝の等身大といわれている
三尊像(梵天立像と帝釈天立像)の中尊です
・聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)
比叡山延暦寺(ひえいざん えんりゃくじ)(滋賀県)
重要文化財
平安時代
170.6㎝
カヤの寄木造
比叡山(ひえいざん)の横川中堂(よかわちゅうどう)に安置されている
つぼみの蓮華(れんげ-ハスの花)をもつ
泥の中から生じて美しい花を咲かせることから、悟りを象徴する
・聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)
東大寺(奈良県)
重要文化財
鎌倉時代
183.0㎝
もとは奈良県天理市の寺にまつられていたが、明治維新の際に東大寺二月堂(にがつどう)に移された
寄木造りで、頭髪以外には漆箔(しっぱく)がほどこされている
快慶(かいけい)作とされるが、実際は弟子の行快(ぎょうかい)とも言われている
・聖観音立像(しょうかんのんりゅうぞう)
鞍馬寺(くらまでら)(京都)
重要文化財
肥後定慶(ひごじょうけい)作
ほっそりとした顔と体、切れ長の目、高く盛り上がった宝髻(ほうけい-結いあげた髪)は、快慶の宋朝様式の特徴です
●立っている観音像は多いが、坐っている観音像は少ない
坐像は思惟(しゆい)的な印象がある
・聖観音坐像(しょうかんのんざぞう)
満月寺(まんげつじ)(滋賀県)
重要文化財
平安時代
64.5㎝
右手は施無畏印(せむいいん)を結び、結跏趺坐(けっかふざ)しています
大きな宝冠が印象的です
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